消費の変化

 バブル崩壊後の20年、特に直近の10年で消費の形態が変わってきたことは歴然とした事実でしょう。モノを買わなくなった理由としては、 “そんなにお金を持っていない”、“雇用も不安定”、“友人が買わないから、自分も買わない”、そして、“そんなモノは自分には必要ない”など様々ありますが、同時に、消費者は価格と価値のバランスを重要視し、また、必要なモノと必要でないモノの線引きを明確に行うようになったということは見逃してはならない事実です。これは若年層だけにとどまらず、多くの消費者のマインドの中で消費基準が変化してきている表れなのです。

 インターネットを開けば、“どの商品をどこで買えば一番安いか”が瞬時に分かってしまう時代です。特に、高額な商品はネットを駆使するにとどまらず、時間をかけて店頭をまわり、「価値あるものを納得できる価格で買う」ことが当たり前になっているのです。

 市場には、生活者の価値観や趣味嗜好の多様化を満たすための商品が溢れています。ところが、企画段階で期待した数量が売れるような“モノ創り”が難しい時代になっています。ITや一部の消費財を除き大型のヒット商品が少なくなる一方、予測を超えて突然ヒットし、生産が間に合わずに一時的に販売中止となり、販売を再開したらそれほど売れないというような、短期寿命で次の商品に目が移っていくといったメーカーのコントロールを超えた商品の販売実態を最近よく目にします。この背景には生活者の購買行動プロセスを解説した「AISAS」の二つの「S」、“Search:情報検索”と“Share:情報共有”を支えるITインフラ内の“口コミ威力”が大きく反映されていると思われます。

 

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