過去の20年に起きた変化と日本が失ったもの

 日本が低成長経済国に変わったこと、それに伴って生まれた、“強い国から弱い国になってしまったみたい”という意識が国民のマインドを全般的に冷やしたのがこれまでの20年間であったように思います。強い日本を知らない世代が増えているのです。それでは、具体的にどんな出来事や変化があったのでしょうか。一部を以下に紹介します。

◆ 低迷する日本経済:

  • 1989年末に日経平均株価が最高値の38,957円を付けてから20年、株価は9,500円と当時の4分の1以下に下落。
  • 1996年に300兆円余りだった政府債務の総額が900兆円(2010年6月現在)を超えて、名目GDP(475兆円:2010年)の2倍近くに膨張。
  • 消費者物価指数は1991年に対前年比3.3%を記録して以来、1997年の1.8%と2008年の1.4%を除き、直近の10年はマイナス成長を続け、2009年には-1.4%を記録するといった、まさにデフレーションが深く進行。
  • 輸出需要創出の機軸であった自動車や家電産業が競争力を弱め(為替及び競合外国企業の台頭で弱まる製品差別化)、外需依存型経済に大きな危機感。
  • 欧米諸国で、“年単位ではなく月単位で首相が入れ替わる国”と揶揄されるほど不安定で国民生活とかけ離れた政治基盤。
  • 金融資産1億円以上を保有する富裕層が人口の1.3%、150万人以上いると言われる一方で、世帯収入が200万円以下の低所得層が全体の16%近くに拡大(厚労省2009年10月発表)するといった、格差社会の進行。

◆ 急激に進む少子高齢化:

  • 高齢者(65歳以上)人口が全体の23%を超え、団塊及び団塊Jr世代では1年齢あたり200万人前後であった人口が、100万台前半に落ち込む。
    • 結果として、将来的な育児、教育、結婚、住宅費用の絶対的な低下を生みだすと推測されると共に、物持ち世代である高齢者の買い物意識の低さが内需低迷の要因になっている。
    • また、労働人口は1998年の6,800万人をピークに、現在では6,600万人を割り込み、潜在消費(購買)力低下の要因になっている。

◆ 流通環境:

  • 老舗デパートは青息吐息で、2009年の売上高は1983年以来26年ぶりの低水準を記録、また、全国のスーパーマーケットの2009年度の売上高も1988年以来21年ぶりに13兆円を下回り、大型流通形態に多くの変化が見られる。
    • 欧米型大型スーパーの筆頭であったダイエーがそのポジションを落とし、イトーヨーカドーとイオングループの2社独占に移行。また、生活者意識の変化と品質の向上に伴いPB商品が急激に売上を伸張。
    • 継続して売上を落としている百貨店に代表される総合商品販売店が衰退する反面、アパレルや家電、そして外食産業においても専門店化が進み、また、郊外型アウトレットモールが乱立。

◆ 消費者意識の変革:

  • 格差社会が元々存在していたとはいえ、富裕層と低所得層が共に拡大し、消費行動の多くの側面に変化が見られる。
    • 富裕層のあいだで高級・高額なモノの売れ行きが好調(億ションはすぐに完売)な反面、お金を持っているのに“なんとなく使わない”人たちが増加。
    • 低価格のファッションやインテリア・家具店が増加し、生活者の低価格志向を刺激。
    • “巣ごもリッチ(外食を減らし、家で食べる食材にお金をかける人)”を背景に売上げを伸ばす高級スーパー。

 上記は平成の20年間、特に最近10年間に生じた出来事のほんの一部ですが、これらを通じて日本の生活者意識はどの様に変化しているのでしょうか?生活者の“モノの買い方心理”を探ることを目的に、全国の20歳〜65歳の男女1,000人を対象にネットリサーチを実施した結果をご紹介します。

 

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