【属性間の差異】

◆ 自営業者のマインド

 他の属性グループと比較して、“自営業者”は、買い控え、買い物1回当たりの購入金額や買い物頻度の低下、そしてローン使用の減少、また具体的な項目においても外食費を含め全ての項目で全般より高い“減少率”を示し、厳しい現実が見て取れます。ここに日本の中小企業が苦しむ実態の一面が表れている様に思えます。

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◆所得間格差

 生活実感指標(生活実感、節約意識、収入の増減、貯蓄、将来不安)の全ての項目において世帯収入の違いにより顕著な差が見えます。特に、 300万円以下のグループでは買い物の仕方においても“減少した項目”が多く、特に減ったものとして、預金、コンビニ&ファストフード店の利用、そしてタクシーや高速道路の利用、また医療費などがあげられています。また、品質/ブランドやメーカーと「価格」とのトレードオフでは、非常に明確に“価格重視”が見て取れ、これらの背景には“直面する経済的理由”があると思われます。

□ 高額所得者層

 所得層の2極化が消費マインドの2極化を作り出している現状がはっきりと見て取れます。

  • 高額所得者層の買い物行動で特徴的なのが、通販・ネット販売の利用の増加です。また、最近した衝動買いではファション製品や国内旅行が多くなっています。
  • 品質/ブランドやメーカーと価格とのトレードオフでは、他の所得層との比較でハッキリと“品質やブランド&メーカー”を重視している姿が見て取れます。
  • 彼らの現在の興味は乗用車、ファッション製品、そして新型携帯IT機器にあると同時に、買うことを我慢しているモノが “特にない”という回答が他グループとの比較で高いのが特徴的です。
  • そして、買い控え(我慢しているモノ)の理由として、“なんとなく”が多いことから、先ほど触れた、「この経済環境化で自分だけが消費をする事へのためらい」が確認されました。

◆ 結論

 今回の調査では、“消費を科学する”所まで踏み込めませんでしたが、世間で言われている消費の実態が改めて浮き彫りにされたと思います。1年前の様々なマーケティングレポートを見返してみると、「ただ安いものを消費するのではなく、ライフスタイルへのこだわりや、環境意識、そして安全性重視の傾向が強まる」との記述が多く見られましたが、この調査結果を見る限り、想像した以上に高まる生活防衛意識を背景に日本人の消費マインドの冷えが進んでいるように感じました。

 但し、これらはあくまでも生活者の『買い方意識の変化であり、限定された数の生活者が本当にモノを買い難くなったことを除き、消費は確実に行われている』と考えます。確かに、衝動買いや1回のショッピングで支出する金額が減ってきたとはいえ、生活必需品の購入量が市場全体で減少するほどの地滑りは起きていません。消費の中身が変化してきていることは間違いないでしょうし、価格と品質の関係をより慎重に見極める生活者像が浮かび上がりましたが、同時に、生活が厳しい時代にあっても“心を豊かにする付加価値を商品に対し求める”生活者像が窺えました。また、低所得者層のマインドの冷えを解消する制度政策面での革新が早急に求められる事を改めて実感させられました。

 

 

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