マーケティングリサーチのスペシャリスト

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顧客インサイトを探るツールとしてのテレビ電話インタビュー

 現代の日本はモノがあふれています。生活者の回りには、必要なものは充分すぎるほど満たされており、自分が新たにどのような商品が欲しいのか、生活者自身もわからないというのが実情でしょう。こういう時代においては、単なるアンケート調査で質問した結果の分析のみによって、ヒット商品につながる新しい発見をすることは非常に難しくなってきています。そこで多くの企業は、今までとは違った方法で、今まで以上に、より深く顧客を理解したいと考えるようになってきています。所謂「顧客インサイト(顧客の隠れたニーズ)」を探るといったことが、今後マーケティング・リサーチに求められる大きなテーマの一つになってきていているといえましょう。このテレビ電話インタビューは、そんなニーズに応えるひとつのリサーチ・ツールであるといえます。

 事例で紹介させていただいた女性のスキンケア行動観察調査は、顧客インサイトを発見するためのリサーチの一例です。その他にも、参加者にインタビュー時にテレビ電話のカメラで自宅の中の様子を映してもらい、その参加者のライフスタイルを理解したり、冷蔵庫の中を映してもらいどのような商品をストックしているかを理解したりしながらインタビューをするといったことが考えられます。また、キッチンで皿を洗ってもらいながら、あるいは料理をつくってもらいながらインタビューをするといった試みも面白いでしょう。これらは、今まで実現が難しかったが、テレビ電話インタビューを活用することによって実現可能になる調査のほんの一例です。もちろん、これら以外にも、テレビ電話インタビューを利用した様々なリサーチの可能性が考えられ、今後、更なる研究と実践がすすめば、テレビ電話インタビューは、今まで以上に深い顧客理解を得るための有効なツールとして発展していくのではないかと考えています。

  マーケティングとは何か?という問いに対し、最近改めて注目されているドラッカーは次のように述べています。「マーケティングの役割は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、おのずから売れるようにすることである。」この言葉が意味するのは、顧客を理解することをあきらめてしまった企業はすぐに顧客から見捨てられてしまい、顧客を理解した企業のみが今後の競争に生き残っていけるということかと思います。とはいえ顧客を理解することは簡単なことではありません。ましてや人間という極めて複雑な生き物である顧客を完全に理解することなどは不可能であり、その追求は決して終わることはありません。それは企業にとって果てしなきチャレンジであるといえましょう。マーケティング・リサーチはそんな果てしなきチャレンジのための手段です。そしてテレビ電話インタビューは、極めて複雑な生き物である顧客を理解するためのマーケティング・リサーチの新しい武器といえましょう。


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