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店頭での「POS未満」の状況を知る

 このモデルは、米国エンバイロセルの創業者であり、現在も最高経営責任者(CEO)の任にあるパコ・アンダーヒルが、自ら考案した「徹底した購買者の行動観察に基づく分析手法」をインストアマーケティングに生かすことを目的として、1979年にアメリカで生まれた購買者行動解析モデルです。社名にも用いられている「ENVIROSELL:エンバイロセル」とは、EnvironmentとSellの造語であります。環境のEnvironmentと、売るという意味を持つSellの二つの言葉を組み合わせたもので、購買者の行動や心理に影響を与える環境を改善し、「売れるための環境」作りに必要なソリューションをクライアントに提供していくという理念が込められています。

 店頭での購買者行動のトレンドを把握するため、従来から主に「POSデータ分析」と「消費者調査」の二つの調査方法が用いられてきました。一つめの「POSデータ分析」は、“購買結果”という事実を捉えたデータから商品が購入された状況(いつ、誰が、何を)を知ることができるものです。二つめの[消費者調査]とは、訪問調査やインターネット調査など、主に過去の購買経験(記憶)や今後の購買意向(希望)から購買目的や背景を推察するものです。このようなPOSデータ分析や消費者調査によって、“購買結果に基づく事実の解析”から捉えた消費者の群像や購買傾向、また、使用シーンからみた消費者ニーズは深く研究されてきたといえます。しかし、買物の現場である店頭での購買者のありのままの姿(行動実態)やその背景に潜む心理の探求はほとんどなされてこなかったのではないでしょうか。そこで、エンバイロセルは、店頭での購買行動実態とその行動の裏に潜む購買者心理を同時に調べ上げることで、「POS未満」の状況を知ることに主眼を置いてきたのです。

 さて、購買者行動には、「意識して買っていくもの」と、「無意識の行動」があります。店頭アンケートを行うと、実際にある商品を見ていたはずの人にその商品を見ていたかを尋ねても、「見ていない」と答える人が少なくありません。購買者は商品を見ているようで、意外と見ていないのです。購買者は自分で意識的に選んだ商品は覚えているものですが、無意識の行動は記憶に残らないのです。しかしながら、実際には無意識の行動が深層心理を表しているケースも少なくありません。だからこそ、私たちは、店頭でのありのままの購買行動の実態とその行動の裏に隠されている心理を同時に捉え、購買決定に至るまでの「POS未満」の状況を把握するようにしているのです。

 


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