マーケティングリサーチのスペシャリスト

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まずは、「消費者の検討の土俵」へ

 我々は、無意識の行動を含めた購買者の行動をみていかなければなりません。そのために店頭観察で見極める重要なポイントは、その商品が「消費者の検討の土俵に上がっているか否か」ということです。

 よく流通やメーカー関係者は、「売れない」、「売れていない」と嘆いておられますが、「商品が売れない」という事実を店頭での消費者の購買行動に置き換えてみると、二つの大きな特色に分けることができます。ひとつは「商品を見てくれているのに、買ってもらえない」こと、もうひとつは「商品を見てくれないから、買ってもらえない」ということです。消費財の場合は、後者が特に重要な問題となってきます。なぜなら、消費者の購買行動は過去の経験や体験から生まれた固定概念、「ここに行けば、この商品があるだろう」、或いは、「あの商品が欲しいときには、あの売り場に行けばいい」などと考えてしまいやすいからです。つまり、固定概念が無意識の行動を引き起こしているケースが多いのです。

 例えば、発売前に行った消費者調査での評価が非常に高い商品であっても、売り場で見つけ難いケースがあります。ドラッグストアやスーパーマーケットの売場では、ひとつの商品カテゴリーに数十から数百種類もの商品が並んでいるのが現実です。しかし、購買者が実際に売り場で検討する商品は多くても十個に満たないのです。つまり、売り場に来た段階で、購買者は固定概念から自然にある程度の商品を排除しているのです(絞り込み)。「このあたりの売場に求めている商品があるだろう」、「ここに置いてある商品は安そう、或いは、高そうだ」、と云った判断をこれまでの購買経験値から意識するという、購買者の行動特徴の一つなのです。

 さて、皆様はご自身の購買行動を振り返ってみて、商品イメージとパッケージの色や形が強く結びついていることに気付いたことはありませんか?例えば、辛いものは赤いパッケージ、湿布薬であれば青系統のパッケージといったことです。そして、売場でもそういった色合いの商品が多く並んでいる場所で探すといったようなことです。実際に購買行動を観察してみると、多くの購買者がこのような商品群の売場で、青色や赤色のパッケージばかりを検討していることに気付きます。この事実に関連した事象、これは似たようなデザインのパッケージが多いカテゴリーで起こりやすいマーケティング行動なのですが、商品の差別化を図るために、他商品と異なる色やデザインのパッケージを敢えて投入するケースがあります。勿論、事前の消費者調査で目立つパッケージとして良い評価をされたから投入に踏み切るわけですが、その新パッケージが購買現場では検討すらされないということがしばしば起こります。これは買物客の頭の中にある「○○ 商品は△△色」といった思い込みが影響しているケースなのです。せっかくパッケージの色やデザインを際立たせたとしても、目に入っていながら無意識のうちに目的の商品群ではないと認識され排除されてしまうことが多いのです。こういった場合、パッケージのデザインを変更しなくとも、棚割、販促物、陳列方法などを改善し、お目当てグループの商品であることを認識させ、まずは「検討の土俵に上げる」ことが重要となります。そこでやっとパッケージの色がプラスに作用し、売上が向上する結果に繋がるのです。

 つまり、発売前の消費者調査で評価が高い商品でも、実際、店頭で商品が並んでいるときに「購入を検討する土俵」に入っていなければ、売場で検討すらされないのです。だからこそ、パッケージを変更する前に、まずは、その売り場がお客様にどのように見えているのか調べていくことが非常に重要になるのです。

 


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