マーケティングリサーチのスペシャリスト

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4.媒体活用の現状について:

 次に、マーケターが各媒体を利用している実態を、媒体別支出費用の面から見てみましょう。

 

                   図4.媒体別広告費(億円)

図4は、今年の2月に電通が発表した主要媒体別の広告費支出データで、電通だけでなく日本全体で支出した総広告費の推移を示しています。2008年のリーマンショック以降の経済低迷によって、ここ2年間の広告費総額は15%以上落ち込みましたが、インターネットの広告費は2年間で18%伸びています。インターネット広告費の構成比も2009年には約12%に達しており、2005年から比べると構成比は倍増しました。また2009年にはインターネット広告費が新聞の広告費を上回りました。

 こうした面だけを見ますと、マーケターはこれからより重要と考えられるインターネット媒体に力を入れているように思われますが、構成比を見ますと、2009年でさえテレビの28.9%に対してインターネットが11.9%と低く、その差は2.4倍になっています。

 3項の接触媒体で分かるように、消費者の1日あたりテレビ視聴時間は164分(2009年)であるのに対して、インターネットの利用時間は 86分(2009年=PCと携帯の合計)です。つまりテレビの接触時間は、インターネットの接触時間の1.9倍にしかすぎません。また2項で述べたように、インターネット上の消費者意見(信頼度70%)の方がテレビの信頼度(62%)を大きく上回っています。さらには、新聞・雑誌といった旧来メディアの一部が、電子化によって益々インターネット分野へと吸収されていきます。大容量通信の普及によってインターネットでの映像配信も拡大しますから、テレビの分野もどんどんインターネットに浸食されていくでしょう。こうした時代背景を考えると、マーケターは今後インターネットへの支出を大きく増やすことが必要だと考えられます。

 2005年に「ホリエモン」がニッポン放送への敵対的買収を図った際、『インターネットと放送メディアの融合によるシナジー効果』と謳いましたが、時代が流れるにつれて今こそ、その本質的な方向性を見極める時がきたような気がします。

 


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