マーケティングリサーチのスペシャリスト

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最後に、あるいはこんな方法も・・

 日本の統計調査分析の草分けでもある故後藤秀夫先生は、ご生前、需要予測モデルづくりに何度も挑んでいらっしゃいました。“データベースマーケティング”に限らず、「いかにしてコストを抑え多くの売上をあげるか」を考えることもマーケティングの基本目標です。後藤先生は、流通業や製造業が供給すべき最適な商品数を事前に把握するためには、現実的な需要予測モデルが必要であることに着目し、生活者の商品購買行動に影響を及ぼすファクター(説明変数)を集約して、そのバランスを最適化することが大切であると説かれていました。そして、常に変化し続けるファクターと格闘される中で、画期的な発想を打ち立てられました。それは、「常に変化する変数を見極めるより、まだ科学では証明しきれないことを判断できる特殊な予知能力をもつエスパーを発見するほうが早いのではないか」という大胆な発想でした。特定のカテゴリーにおいて、よく初期段階でヒットする商品の価値を何らかの方法で嗅ぎ分けて購入(消費財ならリピート購入)する人(エスパー)を見つけ出し、彼らが好意的に感じる商品を開発していけばよいというものです。スタンフォード研究所のライフスタイル分析でイノベーターを見つけ出す発想に似ているかもしれません。しかし、このエスパーの発見方法が、“データベースマーケティング”の真髄なのです。大勢の生活者の購入商品についての成長曲線を分析することで、生活者集団からエスパーを発見し、その特定の生活者の今後の購買行動や商品を注視するというアイディアです。とても80歳を過ぎた方の発想とは思えない柔軟なものでした。しかしながら、この試みを承継し、成功させたという話はまだ聞こえてきません。

 また、弊社の顧問であるインド人リサーチ学者のサンジェイ・セス博士(マーケティングサイエンス)は、どのような商品分野であっても、定量調査データの回答パターンを分析することで売上向上のための説明変数を論理的、かつ感情的な見地から明確に探り出すことのできる“サイコメトリック法”を提唱しています。業界によって、また、時代によって非常に整理、説明のつき難い市場の動きを、生活者の主観を捉えているアンケート回答のパターン分析で読み解こうというものです。“エスパー発想やサイコメトリック発想”の中にも売れる商品開発のヒントが隠されているのではないかとも考えています。

 最後になりますが、“なぜ売れないのか?”と煩悶する前に、先ずは売り場で購買者の行動を観察すると共に、膨大なマーケティングデータを眺め解決のために必要な情報を整理整頓してみてください。

 


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