マーケティングリサーチのスペシャリスト

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潜在意識を探ることがブルーオーシャンへの切符に?

 日常では言葉にできない感性を引き出すときに、頭で深く考えさせずに瞬間的に思いつく単語を繰り返し表現させる事で意識の奥を覗き、出てきた言葉をデータ化し量子力学を応用して深層心理をあぶりだす手法や、投影法(3)(プロジェクティブ・テクニック)、ラダリング(4)など潜在ニーズを引き出すための心理学を応用した手法には枚挙にいとまがありません。

 突然ですが、人間はときどき嘘をつきます。しかも性質(タチ)の悪いことに本人も嘘だとまったく意識していないことが多いのです。そのときは実際にそう思っていたのです。前提となる情報によって人の意見は容易に変わりますが、これは嘘ではありません。また、「この新しい商品をどう思いますか?」と問われたときに、特に興味を持たなかった場合でも、無理やり聞かれれば無理やり答えようとするのが大人社会の基本的な態度です。本気で思っているのか、それとも仕方なく言ってみたのかを見極める方法は、現代でこそ嘘発見器や脳科学の反応装置もありますが、人間観察の真骨頂ともいえる鋭い感性と、回答の裏側の意味を読み解く分析者の洞察力や想像力にほかなりません。

 リサーチを実施する際に、リサーチャーは生活者の言葉を引き出し、それを集めた発言集として提出すればそれで仕事は終わり、生活者の発した言葉の意味に対する解釈は不要であるということを言う人もいますが、私はその考え方は誤りだと思います。特に異文化圏で調査をしていると、通訳の質がすべてとなってしまうことがあります。通常、同時通訳者を入れて発言の一問一答を訳していくのですが、発言と翻訳の間にタイムラグが生じ意味が誤解されたりすることがあります。外国語での調査ではとんでもない誤訳が商品開発の成否の分かれ道となる場合が多いため、分析者やモデレーターがそれぞれのインタビューの結果をベースに調査対象者のインサイトを含め、結果を解説できるだけのスキルが必要です。また、グループインタビュー内で疑問に思ったことをすべて確認するためのデブリーフィング(de-briefing)という、インタビューが終わったあとに関係者一同が介して行われる、結果認識の共有会が重要な役割を果たします。

 


 

(3)投影法:回答を自分以外の人や物に託して表現してもらう質問手法。いろいろな方法がある

(4)ラダリング:相手との対話の中で、徐々に掘り下げた質問を繰り返すことで相手のニーズや価値観を引き出す手法のこと

 


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