マーケティングリサーチのスペシャリスト

メニュー:コラム 第5回
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II.ネットリサーチの特性

 IT環境整備がパソコンの普及やインターネットユーザーの増加を導き、ネットリサーチ普及の合理性が生まれたわけですが、 その隆盛の背景には従来型の調査手法にない様々な特徴があります。前項で触れましたが、従来型調査とネットリサーチの大きな違いは管理プロセスにおける手間と時間です。この要素が費用や管理プロセス全体に反映され、現代マーケティング管理が求める意思決定スピードと合理性に合致したのです。ネットリサーチの特徴を従来型調査手法と比較してみると;

◆ 低価格:同じ調査スケールで比較した場合、5分の1以下。

◆ スピード:調査を実施してからデータ集計まで、数週間から1カ月程度かかっていたものが、1週間程度に短縮!

◆ リサーチ対象者:

◆ 簡便:

 これら特性の相乗効果によって、ネットリサーチは革新的な価値を市場に提供しているのです。但し、これはあくまでも客観的に各要素を組み合わせた場合のことであって、調査目的や対象者条件、或いは調査内容によっては必ずしもネットリサーチが従来型の調査手法に勝っていると言えるものではありません。この件に関しては後半部分で触れたいと思います。これらの特徴が昨今の社会(One-To-One情報交換システムの拡大)・経済(世界的な経済不況に端を発する支出マインドの冷え)環境の変化の中で受け容れられ、ネットリサーチが躍進を続けて来たものと思われます。従来型の“時間とコストがかかる調査”が、IT時代の“スピードと情報交換の仕組み”の中でマーケティング活動を続ける企業ニーズに合致した手法に移り変わって来た事は自然な成行きであったと思われます。

 ネットリサーチの創成期にいち早く顧客となったのが、時間やアイディアで勝負するTVやラジオを中心とするマスコミや広告代理店関係者でした。番組作りの情報収集に欠かせない速さと限られた予算で可能なネットリサーチ、また、広告・宣伝作品の製作に欠かせないクリエイティブ・アイディアの収集や品質管理を図る上で大切な“生活者の声”が簡便に手に入る事が歓迎されたのです。但し、この時点では市場調査の主要クライアントである消費財・サービス関連企業や調査会社の一部がネットリサーチに対しやや懐疑的でした。この辺りの事情についても後ほど触れますが、何れにしろ、時代の潮流にあったネットリサーチは拡大を続けて来たのです。

 



III.ネットリサーチのタイプ

 ネットリサーチは、“クローズ型”と“オープン型”の2種類のタイプに分類する事が出来ます。また、対象者区分により、“クローズ型”は「モニターパネル使用調査」と「個別の事業所等が保有する顧客・従業員・業者等の名簿使用調査」に分かれます。何れの場合も一定の枠の中に囲われているモニター/回答者を対象にアンケートを実施するケースで、その囲みが“パネル”、或いは“名簿(データベース)”と呼ばれています。 “リサーチモニターパネル”はポータルサイトやアフィリエイトプログラムで協力者を募集し、パネル(集団)に招きいれ構築します。募集時に、性、年齢(生年月日)、居住地(県等)などの基礎情報を収集しておき、この情報を基にサンプリング(アンケートに協力して貰う対象者集団を調査条件から特定し、調査目的に合った対象者と必要な数を抽出する作業)を行います。例えば、“首都圏に在住する20歳から35歳の男女それぞれ300名に対しある商品の使用実態を把握するアンケート”を実施する際に、パネルの基本情報を基に対象者を事前選定できる事で、集約的、かつ効率的にアンケートが実施できるのです。現在、日本でネットリサーチ事業を展開している大手の調査会社が保有するパネル内のモニター数は何処も100万人規模となっており、殆どの調査ニーズに対応したネットリサーチが可能であり、日本ではモニターパネル使用のネットリサーチが主流となっています。

 このタイプとは別に、社員満足度調査(ES)や顧客満足度調査(CS)など、市場にオープンされていない特定の対象者に対してアンケートを行う場合、調査依頼主が保有する「従業員・顧客・業者等の名簿」の中で調査が行われます。このケースでも、調査会社が開発、保有しているネットリサーチ管理システム(プログラム)をASPの形で使用する事で、ネットリサーチの特性を活かしたアンケートが可能になります。

 “クローズ型”に対し“オープン型”は、読んで字の如く、不特定多数を対象にアンケートを実施するケースで、例えば、Webサイトにネットリサーチのリンク先を記載して参加者を誘導、或いは、簡単な質問をサイトに直に貼り付けて実施する場合などがあります。何れの場合も、特定のWebサイトを閲覧している対象者だけが参加できるアンケートであり、参加者の性/年齢など、基本属性分布が偏る場合が見受けられます。オープン型ネットリサーチは特定の販売促進キャンペーンの参加者から意見を聞きたい場合などには有効ですが、この様なアンケートの結果から、「日本人女性の30%が○○○商品を好んでいる」などと言った結論を導きだす事は乱暴かと考えます。

 



IV.ネットリサーチでできること

 従来の訪問面接調査や街頭アンケート、或いは電話調査や郵送調査など、アンケート用紙が必要な調査であればどの様なタイプもネットリサーチに置き換える事が可能です。そして、大量の調査モニターをパネル内に持っている利点から、従来の調査手法では時間や手間、そして膨大なコストを必要とする“重たい調査”が、ネットリサーチでは容易にできるようになったのです。ここでは、ネットリサーチだからこそ効率的に出来るようになった調査の例を紹介すると共に、従来、インタビュアーが調査対象者の回答状況を判断、適宜調整をしながら質問を進めていた、“人間の業”がネットリサーチでどこまでカバー出来るようになったのかなどを紹介します。先ずは、調査の効率性ですが;

 この革新的な便宜性によって、富裕層向けやニッチな対象者向けの商品開発などがしやすくなったのです。

 次に、インタビュアーがいないのに面接式に近い形で質問が出来る仕組みですが;

 ネットリサーチのスピードですが;

 その他、海外にあるアンケートサイトにパネルを誘導することや、多国間調査も各国のパネル、多言語に対応したアンケートサイトや翻訳能力があれば、日本に居ながらにして何カ国での調査も可能になりました。海外向け製品開発や、海外進出前の事前調査が手軽にできるようになりました。

 



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